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型取りの前処置①

こんにちは。
歯科医師の大西です。
今回は型取りの前処置についてご説明します。

詰め物や被せ物の型取りをする際、
「綺麗に型取りができるように歯と歯茎の間を糸で圧迫していきますね」
と言われたことはあるでしょうか?
これは、歯肉圧排という処置です。
詰め物や被せ物を作る際、一番重要な部分は歯との境目です。
ここが綺麗に合っていないと、歯と詰め物・被せ物との間に隙間ができ、虫歯になりやすくなってしまいます。

そこで、ぴったり合った詰め物・被せ物を作るために活躍するのが圧排糸です!

型取りの前処置①_f0205412_16464838.jpg

圧排糸の主な働きは以下の2点です。

①邪魔な歯茎を排除する。
型取りをする際、詰め物・被せ物と歯との境目となる重要な部分が、盛り上がった歯茎のせいで隠れてしまっていることがあります。
そこで歯と歯茎との間に糸を挿入することにより、邪魔な歯茎を排除します。

②血液、滲出液の浸入を防ぐ。
歯茎と歯の間の溝からは、血液や滲出液という液体が出てきます。このような液体が存在すると、綺麗に型取りができません。そこで、圧排糸と薬剤を用いて、血液と滲出液のコントロールを行います。(薬剤については、次回述べます。)

当院では、被せ物の型取りの時は必ず、また詰め物の型取りの時は必要に応じて歯肉圧排を行っています。歯肉圧排は、手間が増えますし、特に保険点数を算定することができません。ですから、セラミック等の自費診療の際に行う医院は多いと思いますが、保険診療でも行っているところは少ないと思います(*^_^*)

処置時に少しチクチクしますが、綺麗な詰め物・被せ物を作るための重要な一手間です!


by siodent | 2015-08-04 15:43